ベトナム

ベトナムでは日韓のゼネコン比較と、在来構法の調査を行っています。芝浦工大や東大と一緒に調査しています。ここでは在来構法の調査について、いくつかご説明。

ベトナムの在来構法は下写真のように、コンクリート柱・梁とレンガ壁です。中国も韓国もタイもラオスもだいたいこれでした。

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この構法はビルにも住宅にも使われます。住宅の場合、ベトナム都市部では(わりと田舎でも)、チューブハウスと呼ばれる間口の狭い4,5層の住宅が多く建てられます。

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RCの型枠は、野丁場(ビル)だと鋼製型枠、住宅レベルでは木型枠が多いです。木の型枠はリースする会社があるそうです。

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木の型枠は普通の板で隙間が空いてしまうので、ビニールの袋で目張りします。それが型枠を脱型した後も残ってたりします。赤青で見えてるのがビニール。全体もぬめっとしています。

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住宅の場合だと、柱の寸法は、220㎜角程度です。これは2重に積んだ煉瓦の厚さと揃うようになっています。壁は220㎜か、内壁だと110㎜(1重)が多いです。床は100~120㎜という回答が多かったです。

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日本では、RC工事は、配筋、型枠、打設などと分かれていますが、ベトナムの住宅の場合、同じ施工チームが担当します。住宅に限って言うと、施工チームは杭工事はやりませんが基礎、型枠、配筋、打設、煉瓦壁、左官と下地は一通り施工します。

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施工チームは5,6人で、特にどの人が配筋などと決まっておらず、全員が基礎から左官まで担当します。チームの親方はタカと呼ばれ(親方の次はダオカイン)、手元(お手伝いさん)はタプーと呼ばれます。

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住宅の材料はほぼ施主が市場などで買って職人に支給します。日本みたいに材工一式(労務も材料も合わせて請負、坪いくらなど)にすると、材料費けちる(その方が儲かる)からです。

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職人も材料も施主が直接管理するので、家を建てるとなると大変です。下のは施主さんが記録していたノートです。ほぼ毎日のように何か材料が運ばれてきてお金を払います。一時的に仕事やめたりするそうです。下はそれを記録したノート。

ハノイは冬寒くて湿度も高いので結露します。部屋の中も寒いです。住民が独自に工夫します。写真は断熱材(?)を全面に貼った例。

論文です→hanoi

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